薬の種類と組み合わせ 関東地方基準
バラの薬には大きく分けて、病気を予防・治療する「殺菌剤」、害虫を退治する「殺虫剤」の2種類があります。 (殺菌剤の中には、予防を目的としたものと、予防・治療の両方を目的としたものとがあります)
各薬剤の説明書を確認し、病気・害虫の種類にあわせて、有効な薬を選びましょう。
        また、家庭園芸用薬剤は、基本的に複数混ぜて使用できます。(混用)上手に組み合わせて、効率的に散布を行ってください。
ただし、強アルカリ性の薬剤は混用には不向きです。
ご使用前に説明書きをよくお読みください。 
園芸店では様々な薬剤が販売されていますが、ここでは代表的なものをご紹介いたします。
| 病気名 | 薬剤名 | 
|---|---|
| 黒星病・ うどん粉病 | サプロール乳剤 マネージ乳剤 ダコニール | 
| うどん粉病 | カリグリーン サンクリスタル乳剤 | 
| 害虫名 | 薬剤名 | 
|---|---|
| アブラムシ スリップス イモムシ ケムシ ハバチ 等 | オルトラン類 スミソン乳剤 ベニカX アドマイヤー フロワブル | 
| ハダニ | 粘着くん液剤 サンクリスタル乳剤 | 
*各薬剤の対象害虫を確認し、ご使用ください。
薬剤散布方法と注意点 関東地方基準
6月~7月にかけては、病害虫が発生しやすい時期です。7日~10日に1度薬を撒くと効果的です。他の時期は、状態を見ながら行ってください。
また、薬剤は病害虫に抵抗力をつけないよう2~3種類用意して交互に使い切ると効果的です。
- 薬剤散布の注意点
- ご使用に際しては、薬剤に明記されている使用方法を良くお読みになり、用法、用量を守ってご使用ください。
 濃度は必ず守り、作った液は保存せずに使い切ってください。
 若葉には表示されている低い方の濃度で散布してください。
 気温の高い夏は、薬害が出やすいので、朝のうちにまいてください。
 薬剤は株全体にムラなく丁寧に散布してください。特に葉の裏にかかるように。
 薬が残っても2度がけしないでください。薬害がでる可能性があります。
症状と対処(病気) 関東地方基準
*生育環境が悪く病害虫が出やすい場合は、丈夫な品種 を植えることをおすすめします。
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          黒星病症状 
 古い葉の表面に黒いシミ状の斑点が出て、新しい葉にも広がり黄化して落葉します。新しい芽が出てもそれがまた病気に侵され、何回か繰り返すと、木が充実できず枯死に至ることもあります。 菌は地表面や葉に存在し、雨により伝染します。時期 
 雨の多い梅雨期や秋の長雨の時に多く発生。対処 - 薬剤散布:サプロール乳剤(1,000倍)、マネージ乳剤(500~1,000倍)、ダコニール(1,000倍)等
 水により病気が広まるので、降雨前後に葉裏へ薬剤散布してください。
 発生は古い葉よりするので、株の下葉を丁寧に行います。
- その他対策:落葉した葉を処分する。 
 潅水時に葉に水をかけたり、水はねをおこすようなやり方はしない。
 
- 薬剤散布:サプロール乳剤(1,000倍)、マネージ乳剤(500~1,000倍)、ダコニール(1,000倍)等
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          うどん粉病症状 
 若い茎葉、蕾がうどん粉をまぶしたようになります。時期 
 4月から6月、気温15℃から25℃で発生します。
 特に、日中と夜間の温度差が高い時に出やすくなり、真夏は活動を止め、再び秋に発生します。
 菌は風により伝染。対処 - 薬剤散布:カリグリーン(800倍)
 菌の飛散を防ぐため初期防除に心がけ、発生患部は薬液で洗うように散布すると 効果的。 症状がひどい場合は、患部を切り捨てた後薬剤散布するとよい。
- その他対策:風通しを良くし、十分に日光に当てる。
 
- 薬剤散布:カリグリーン(800倍)
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          根頭ガン腫病症状 
 根が部分的にコブ状になり、やがて肥大していきます。
 根全体的に発病する可能性もある。 菌は傷口から進入します。時期 
 バラの生育期全般で発生。対処 - 信用のある苗木を植える。
- 株の植え替えは出来るだけしない。
- ガン腫病で枯死した後の土は、取り替えてから苗木を植える。
 
症状と対処(害虫) 関東地方基準
*生育環境が悪く病害虫が出やすい場合は、 丈夫な品種 を植えることをおすすめします。
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          ハダニ症状 
 葉が緑色から白っぽくなり、やがては黄化し落ちてしまいます。 また、木の生育が止まります。時期 
 梅雨明け頃から秋まで発生。雨の少ない高温期に大発生しやすい。対処 
 薬剤散布:サンクリスタル乳剤(600倍)*高温時の薬害に注意
 葉の裏に付くので、葉裏に薬剤がかかるように散布すると良い。
 発生前の予防散布が好ましい。
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          アブラムシ症状 
 新芽につきよく増えます。放っておくと、葉にスス病が付き黒く汚れます。時期 
 春と晩秋に発生(夏は他の植物に移動し、バラには発生しない)対処 
 薬剤散布:スミソン(1,000倍)、オルトラン水和剤(1,000倍)、オルトラン粒剤、アドマイヤーフロアブル(2,000倍) 等
 風に乗って飛んでくるため、効果的な対策は薬剤以外なし。
- スリップス
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          症状 
 1~2mmの細長い虫が花弁や葉の液を吸い、その傷跡がしみになり花を汚したり、葉に穴をあけます。他の草花からも移り、大量に発生します。時期 
 6月~11月まで常に発生。対処 
 薬剤散布:オルトラン水和剤(1,000倍)、オルトラン粒剤等
- チューレンジハバチ
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          症状 
 成虫は小形のハチで、枝に傷をつけて産卵します。 幼虫は体長2cm程度のイモムシで、葉の縁に群がって葉を食べます。時期 
 4月~10月ごろまで発生対処 - 薬剤散布:幼虫は初期のうちに、オルトラン液剤(250~500倍) 等を散布
- その他対策:発見したら、成虫、卵をつぶす。
 

 バラ園・ガーデンセンター
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