メッセージ

  • 池田 理代子
  • アラン メイアン

ごあいさつ

連載開始から40年がたち、私の描いた漫画「ベルサイユのばら」が、とうとう本物のバラとなって誕生しました。作者である私自身にとっても夢のようです。

この作品は、多くの皆様に愛され、宝塚歌劇、映画、アニメになり、やがて世界へと広がっていきました。
そして今、物語の舞台であるフランスの人々に親しんでいただいていることは、連載当時には予想もしなかったことです。

フランスのバラの名門であるメイアン社から、漫画「ベルサイユのばら」の名を冠したバラを捧げたい、というお申し出を受けたとき、何よりも一番嬉しかったのは「ベルサイユのばら」という作品に対して評価して頂いているということでした。

完成した「ベルサイユのばら®」を見たとき、情熱的な真紅の花色、誇り高い整った花形、強くもあり儚げな姿は、作品の世界に見事に重なりました。
まるで登場人物たちが、バラとなって花開いたかのように感じられ、フランスと日本をつなぐ素晴らしい作品が誕生したことを心から嬉しく思いました。

マリー・アントワネットや、フランス革命をなしとげた人々が、かつて生きたフランスの大地で生まれたこのバラが、これから長く愛され、咲き続け、皆様に喜びと感動を与えることを願ってやみません。
私もこのバラを育てることを心待ちにしています。

今もフランスで情熱的なバラを創造し続けるメイアン社、そしてこのバラを日本で開花させた京成バラ園芸に感謝申し上げます。

「ベルサイユのばら」原作者 池田 理代子

池田 理代子

池田理代子

劇画家・声楽家。1947年12月18日大阪生まれ。
大学在学中より劇画を描き始め、1972年、週刊マーガレットに連載された『ベルサイユのばら』が少女漫画史を変える大ヒットとなる。
以来、歴史と人間への洞察に満ちた作品を多数発表し続けてきた。
代表作は他に『オルフェウスの窓』、『栄光のナポレオン エロイカ』、『女帝エカテリーナ』、4コマ作品の『ベルばらKids』など。
また1995年、東京音楽大学声楽科に入学、1999年同校卒業。
2005年、ソプラノ歌手としてCD『ヴェルサイユの調べ~マリーアントワネットが書いた12の歌』を発表。好評を博す。
2009年には、日本においてフランスの歴史や文化を広めた功績に対し、フランス政府より「レジオン・ドヌール勲章」を贈られる。