副園長 佐々木の日々是薔薇

冬剪定(前編)

副園長 佐々木の日々是薔薇

★バラのお手入れ「ちょっとワンポイント」

みなさんこんにちは。
冬剪定の季節が今年もやってきました。少しおさらいをしましょう。

冬剪定は、咲かせたいバラの魅力を最大限に引き出すテクニックの一つです。
「切れば咲く」のではなく「咲くように切る」ことがとても大切です。

 

僕の話をします。
今から20年前、初めてローズガーデンの冬剪定をしました。
ローズガーデンのバラは1品種が5~10株ほど植わっているので、当時のヘッドガーデナーに見本を切ってもらい、それを見ながら高さを合わせるように切っていました。
これを6年間続けましたが、「どの枝をどのように切るか」は全く分かっていません。
教わったことは「バラの3分の1が残るくらいまで切り詰める」というとんでもないほど曖昧な表現くらいです。
それでも、いま思い出すと春にはしっかり花を付けていたので、100%の間違いではなかったのでしょう。

7年目、ヘッドガーデナーが代わり「佐々木、切ってみろっ!」と言われ今まで通り切りました。
もう7年間も冬剪定をしてますから・・・ドヤ顔でヘッドガーデナーを振り返ると・・・
「バカヤロー!」とまではなりませんでしたが、「開いた口が塞がらない」という顔はこのことかと思う、何とも言えない苦い顔をしていました。
その後しばらくバラを切らせてもらえませんでした・・・

さて、そこから僕はそのヘッドガーデナーの後ろを朝から晩までくっついて歩きました。
お昼とお手洗いはさすがにいきませんが・・・剪定作業の時だけです。
ヘッドのひと切りごとに「どうしてですか?なんでですか?」これをおよそ3週間ほぼ毎日・・・
今となってはいい思い出です。ねぇ、ヘッド。
いや、いや、すみません。本当にその節は失礼いたしました。仕事になりませんでしたね。
その時に教わったことが僕にとって冬剪定の基本になっています。

1.バラの特性(樹形や伸び方、生長具合等)にあった切り方をする。

2.基本は1番枝で切る。2番枝で切る場合もある。3番枝が残ることはほとんどない。

3.バラの芽を確認して枝が出る方向を意識する。

この3点以外にもいっぱい教わりましたが、ケースbyケースの事が多くて書ききれません。
この3点を頭に入れながら、なおかつこの3点に縛られ過ぎないで剪定をするのがヘッドでした。
(簡単にいうと言っている事とやってる事が違う時がある(笑)すみません、そうではなくて僕にはまだまだ理解できないことが沢山あるという事です)

枝の1本、1本を細かく説明してしまうと、「こっちの方が樹形が整うから」とか「こっちの方が良い枝だから」とか、切る人の主観が入ってしまうのでどうしても曖昧になってしまいます。
それよりも、上記の3点に気を付けながら「春の開花時期に思い通りに咲いたか?」「思い通りの方向へ枝が伸びたか?」「株は順調に生長しているか?」等を毎年積み重ねていく事がとても大事だと思っています。
その積み重ねの中で良い枝の見極めや、より良い切り方を見つけていきましょう。
迷いながら剪定するのは結構楽しい作業です。

 

話が長くなりました。
春に新苗を植えて初めて冬を迎えるバラの剪定をお伝えします。

写真①
春に新苗を植えましたが、思ったよりも大きく育てられなかったバラです。
あまり深く切らずに、大きさを保ったまま枝数を少なくします。
1番枝、2番枝、0番枝は見分けられるようになりましたか。
新苗は根元から出ている枝の全てが1番枝です。分かりやすいですね。

写真②
1番枝がピンク、2番枝がブルー、3番枝をイエローで印を付けました。
冬の剪定は1番枝で切ることが基本ですが、この新苗の場合はあまりよく育ってないのでそのような切り方はしません。
せっかく伸びた背の高さを低くせず、尚且つお花も咲かせる剪定をします。
良く育っていても、もっともっと大きくしたい場合もこのように切ります。
写真の右側の枝は、1番枝が地際から10cm弱で、2番枝が40cmくらい伸びています。左側は1番10cm、2番8cm、3番20cmくらいです。太さは両側とも同じ太さです。これを同じ高さになるように切ります。
まずは3番枝まである左側を3番枝の4芽程残して切ります。このあたりの太さを高さと花付きのバランスが良いと判断しました。(これは主観です)
次に右側の2番枝を左側と同じ高さで切ります。
切るときはバラの芽を確認して切りましょう。芽が出ている方向へ枝が出ていきます。

写真③
高さを揃えたら細い枝を無くしていきます。
先程の高さを決めた基準の枝と同じくらいの太さの枝を残して、それ以下の枝を処分します。
枝を処分することで残した枝に日光が良く当たるように仕向けます。

写真④
完成図です。

 

次回は0番枝と1番枝の見分け方をお伝えします。