Birth Year Garden

「Birth Year Garden」誕生秘話 後編  

Birth Year Garden

今回は、「Birth Year Garden」が出来上がるまでのお話、後編となります

いよいよ、植え方の説明となりますよ~!(^^)!

お庭や花壇にバラを植える際、最も重要な作業
「植え付け」
バラ達にとっての花壇への植え付けは、ヒトで言えば永住先へのお引越しです
なので・・・失敗は許されません( `―´)

今回、植え付けをするのは 8品種 × 2株 = 16
今回、植え付けをするのは 8品種 × 2株 = 16株

そして、植え付けに使う資材は2
植え付けに使う資材は2つ
1 乾燥醗酵牛糞 スロード

2 京成バラ園 バラの肥料 庭植え用

先ずはお庭がバラの安住の地となるかどうか、植え付ける場所の土壌環境をみてみましょう
理想を言えば水はけが良く、有機質が多いこと。しかし、そこは「住めば都」、バラは多くを望みませんが、最低限の環境は整えてあげる必要があります
「あまり土が良くない、よく分からない」といった場合に簡単なのは、植穴の土をバラ専用土に、そっくり入れ替えてしまう方法があります
そうすることで順調に初期生育した根が庭土の中に元気良く伸び出していきます
通常、お庭は畑と違い「最高の土」といった環境は稀ですので、少なくとも堆肥と元肥は入れてあげたいですね
今回の「Birth Year Garden」は、既に花壇として使用していましたし、何せ大川原は「ガーデン人」ですから、牛糞と元肥だけで植え付けました

まずは牛糞、一言でいえば「お庭の土壌改良剤」

有機質が増え、土の中の微生物や菌が活発になり、肥えた土壌としてくれるのです
よく牛糞というと、鶏糞と同じように肥料と思われる方がいますが、店頭で販売されている牛糞スロードにはほぼ肥料成分は入っていません
実は、完熟する間に微生物のエサとして食べられてしまっているんです
この完熟というのが牛糞堆肥の品質のキーポイント!
世の中には粗悪品もあると耳にしますが、京成バラ園で販売している牛糞はその様なことはありませんのでご安心ください

次に必要なのはバラの肥料、大切な「ごはん」となります
売場でよく聞かれる質問に、「家に〇〇〇〇専用の肥料があるのですがバラにあげてもいいですか?」
昔の肥料は窒素、リン酸、カリの含有成分表示を見れば大抵の見当がついたのですが、最近の肥料は材料や加工方法が工夫され、それぞれの作物に合った製品になっている様です
今回使用する「バラ専用の肥料」も、バラを育てる為に開発された肥料となります
特にこの「京成バラ園 バラの肥料 庭植え用」はコストパフォーマンス抜群で超お勧め!!

1 植物の生長に重要な窒素成分を長く効かせるため「ウレアホルム」を含有

2 葉の色を良くする「マグネシウム」配合

3 土壌環境を整える「有機質原料」を使用

4 肥料効果が1か月以上持続

この肥料、本当に凄い!!
私の個人的な感想ですが、この肥料を使い始めてからベーサルシュート(根元から発生する力強い若枝)の発生が多くなりました
また、肥料切れを起こしたバラの葉の回復力がとても速い!!
今ではもう他の肥料は使えない、絶対に手放せない、私の「マストアイテム」です

早速、この牛糞とバラの肥料を使い、「Birth Year Garden」にバラを植え付けていきましょう(^^
花壇に配置したバラ達を鉢から取り出すのですが、皆さんはどうやって鉢からバラを抜いていますか?
バラの鉢が簡単に抜けるのであれば良いのですが、根が詰まったバラは、「ちょっと」や「そっと」では抜けませんよ

このやり方は絶対にダメ!!
このやり方は絶対にダメ!!

いくら引っ張っても抜けないうえに、バラの根を傷め、さらに大川原の肩も壊れてしまいます(>_<)

簡単な抜き方はこれ

利き手に金槌(かなづち)を準備し、反対側の手でバラの株元をつかみ持ち上げ、かるくコンコンと鉢を回しながら叩いていきます

そうすると・・・・
利き手に金槌(かなづち)を準備し、反対側の手でバラの株元をつかみ持ち上げ、 かるくコンコンと鉢を回しながら叩いていきます

力を入れることなく簡単に鉢からバラが外れるのです
「私は力が無いから無理~~~」と言っている当店の女性従業員でも、この方法で10号鉢まで簡単に取り外す事が出来ました
陶器鉢を割らないように取り出すのは少しコツがいりますが、慣れてしまえば一人で簡単に出来るようになります

ここで抜いた鉢の根をみてみましょう
ここで抜いた鉢の根をみてみましょう

こちらは2023年秋の大苗から育てた「ラ・ヴァルス・デイ・アベイル」
たった半年なのに根の回り方が凄すぎ~ (^O^)
では、こちらを「Birth Year Garden」に植え付けていきますよ~

まずは植穴を掘っていきましょう
穴の大きさは直径4050㎝、深さ4050㎝が理想です
穴を掘る前に牛糞を植え位置の地面に置きます
穴を掘る前に牛糞を植え位置の地面に置きます

準備する牛糞の分量は、植穴の大きさにより変わります
穴が深く掘れる際には約5Kg(多め)
地面が硬く深く掘れない場合は2~3Kg(普通)
と状況に合わせて加減してください

Birth Year Garden」は土壌が硬く、30cm掘ると砂利が出てくるため3Kgとしました
この牛糞をスコップで土と、良~くかき混ぜますよ
男性の私の力で3分位、女性でも5分もあればしっかりとかき混ぜる事ができます
男性の私の力で3分位、女性でも5分もあればしっかりとかき混ぜる事ができます

牛糞が全体的に良く混ざったらもう一度、30cmの穴を掘ります
底に300gの「京成バラ園 バラの肥料 庭植え用」を投入します

底に300gの「京成バラ園 バラの肥料 庭植え用」を投入します

肥料に直接根が触れない様、掘り上げた土を10cm埋め戻します
ここでやっと植え付けるバラの登場です
根鉢の表面が土から飛び出すと格好良くありません
植え付けた表土と同じ高さか、若干、地面の中に隠れる高さで植えていきます
植えた後、スコップや移植ゴテを使い、土を戻し、平に整地したら完成となります。
私は土を平らにする際、出来る限り「しっかり育ってね!!」と言う気持ちを込めて、手で優しく土慣らしをする事を心がけていますが、これには理由があります

話は遡る事、約30年前、昔のガーデンセンターでの出来事です
その頃のバラ園は無料の見本園、区画も今とは違い、とても狭い場所でした。
大川原が新品種のバラを植えていると、
当時の京成バラ園所長、ミスターローズこと鈴木省三(すずきせいぞう)氏が偶然通りがかり、私が足で地均し鎮圧をしている姿を見て

 「バラを足蹴にするとは何事か!!」

 と烈火の如く叱られました
その時、鈴木氏はバラに対する礼儀作法を1時間以上に渡り熱弁し、更にバラに対する愛情についても語られました
その時の教えは、今でも私のバラ愛の根幹を為しています
また、同氏は日常的にバラに声を掛けることが大切であると説いていました
ですから、私はバラに対し、いつも話しかけ接しています

 もちろん「Birth Year Garden」のバラを植え終わった後も、手で優しく土をならし、手の平で鎮圧を行った後、
手で優しく土をならし、手の平で鎮圧を行った後、

「これからよろしくね」

1株ずつに声を掛けました
是非、皆さんも「Birth Year Garden」を訪れた際は

「綺麗だね~」 「可愛いね~」 「美しい~」

そんな一言をバラ達にお願いしますm(__)m
この「声掛け」こそがバラに対する愛情表現だと私は思います
ぜひ、皆さんも育てているバラに「声掛け」を実践してみて下さい

皆さんのバラ栽培がもっともっと楽しくなることを願って・・・・