バラコラム

最新品種紹介 コラム第四回目 アプリコット対決 3番勝負! 「アプリコット・キャンディ」 vs 「杏奈」

バラコラム

(バラ担当:大川原)

「えっ!! あんず飴???? あっ!!・・・・アプリコット・キャンディか!!」
これはネタではありません。実話です。
私がアプリコット・キャンディの名前をはじめて聞いたとき、耳ではアプリコット・キャンディと聞こえていたのに、なぜか、頭の中は完全にあんず飴の映像が・・・。
後日、その事をバラ仲間の知人に話したところ、「大川原さんだったらぜんぜん問題ないんじゃないの。だって、いつも話していることと全然関係ないことを考えて頓珍漢(とんちんかん)な発言をするじゃない(笑)」と笑われてしまいました。
私は、縁日で売っている、あんず飴が大好きで、今でもお祭りで売っているときなどは、誘惑に負け、食べてしまうことがあります。
これが、また、たまに食べると涙が出るくらい美味しいんですよね。
さて、本題に戻りまして、今回のアプリコットカラーは「アプリコット・キャンディ」と「杏奈」の2品種。
どちらを選ぶか迷っている方も多いのではないでしょうか?
そんな訳で、今回のバラコラムは『アプリコット対決3番勝負』と言うタイトルでコラムを進めていきたいと思います。
私はできるだけ中立の立場で評価していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まずは、選ぶポイントで一番重要な項目からスタート。
第一の勝負  「丈夫さ対決」
丈夫さにかけては、草丈が大きく育つアプリコット・キャンディが一歩リードでしょうか。
アプリコット・キャンディは半直立性で、とても樹性が強く、非常に病気に強い強健種です。枝の先端に、4~5輪の花を付け、中輪の中でもやや大きめの花を咲かせます。
特に黒星病やうどん粉病には、とても強く、10月5日の庭園では、病気の葉を一枚も確認できないほど立派に育っておりました。

もう一方の杏奈ですが、アプリコット・キャンディと比べると非常にコンパクトで、大きくならない分だけ多少なりとも病気はでます。
しかし、それには理由があります。
バラは芽が伸びてから花を咲かせるまでの距離が大きいほど、病気に強いバラが多いのが現状です。
しかし、杏奈は、芽が出始めてから、すぐに蕾を持ってしまう為、なかなか大きくならないバラなのです。
それだけ、四季咲き回数が多くなる為、花を咲かせるたびにストレスがかかりやすく、耐病性が若干おちることとなります。
よって、第一の勝負「丈夫さ対決」はアプリコット・キャンディに軍配をあげたいと思います。

勝者・・・・・「アプリコット・キャンディ

※ここで、ワンポイントアドバイス
一番勝負はアプリコット・キャンディに軍配があがりましたが、杏奈も非常に強いバラです。
大きな株になるアプリコット・キャンディは、お庭や花壇の後ろ側
小さくコンパクトにまとまる杏奈は、鉢植えや花壇の手前側
このような形で考えていただけると非常に分かりやすいですよ。
第二の勝負 「四季咲き性対決」
四季咲き性の良さは上記で説明したとおり杏奈に軍配があがります。
杏奈は小さな苗木の時から常に全力投球で花を咲かせ続けます。
杏奈の前で耳を澄ますと
「次の花は今が終わってから考えればいいのよ!! 今の花を全力で咲かせるわよ!!」
こんな声が聞こえてきました。
一方アプリコット・キャンディは非常に要領が良いバラです。
自分の力量を考え、計画的に花を咲かせるタイプです。
ですから、常に余力を残し、力の配分を考え、バランスよく花を咲かせます。
この、アプリコット・キャンディは、杏奈のように豪華に花を咲かせることはできませんが、あっちこっちに順番に花を咲かせる計画性のよさは、「私も見習わなければ」と思うぐらい優秀なバラです。
よって、第二の勝負「四季咲き性対決」は杏奈に軍配をあげたいと思います。

勝者・・・・・「杏奈(あんな)

第三の勝負 「美しさ対決」
いよいよ最後の対決です。
花の美しさはどちらがきれいかと言う質問ですが・・・・これは私にとって非常にむずかしい超難問です。
まずは、杏奈の説明から・・・・
杏奈は今回のカタログの表紙を飾るくらいビジュアルが美しい中輪種です。
とても細い花首に7~8㎝位の花をたくさんつけるため、花の存在感がとても大きく感じられる品種です。
カタログでは花びら22枚と控えめな数字でしたが、しっかりとした花の花弁を数えた際には40枚近くありました。

大きな花びらが幾重にも重なり、中心までぎっしりと詰まっているため、花が開いても花芯が見えにくいのが、花が長く楽しめる要因だと思います。
ここで皆さんに見てほしい写真があります。
この写真は、たくさんの造花の中に杏奈を一輪だけ混ぜてあります。

どこに安奈があるのかわかりましたか?
真ん中に一際オレンジ色に目立つ花が杏奈です。
最近の造花は本当に良くできており、近くで見ても生花に見間違うほど完成度が高く、下手な生花よりも、美しいものが多くなりました。
そんな完成度が高い造花の中でも、杏奈が一輪入ることにより、周りと喧嘩せずうまく解けあい、より一層、素晴らしい花束が完成していました。
このバラのご購入をお考えの方は、ぜひ、切花としても楽しんでみてください。
杏(あんず)色の明るいパワーで、薄暗いお部屋の中がとても明るくなりますよ。
さて、ここで、もう一方のアプリコット・キャンディについて説明いたします。
このアプリコット・キャンディは、蕾から花びらが開いていく様子が劇的に美しいバラです。
「もし、植物画家ルドゥーテが生きていたら、このアプリコット・キャンディをモデルとし描いてほしい」
そんな咲き方が、とても優雅で魅力的なバラです。
ただし、杏奈よりも少しだけ、花びらの一枚一枚が大きいため、花芯がすぐに見えてしまいます。
しかし、花びらの褪色(色があせること)が少なく、花びらが散る直前まできれいに楽しめます。
私には「アプリコット・キャンディ」と「杏奈」どちらが美しいか決められませんでした。
よって、この勝負3番目の結果は・・・・・・、引き分けと致します。

 
勝者・・・・・「引き分け」

どちらも素晴らしい良さがあり、それぞれに良いところが違います。
よって、今回の対決は一勝一敗一引き分けで幕を閉じたいと思います。

先日、庭園を散策中、ふと、アプリコット・キャンディの前で違和感を感じ立ち止まりました。
「あれっ・・・」と思い、その場所をよーく見てみると、そこには、とても綺麗な一重のアプリコット・キャンディが隅のほうでひっそりと咲いていました。
(主に花びらが20~30枚のバラの中には、力の弱い枝に一重で咲かせるバラを良く見つけることがあります。そう言った一重のバラは、八重咲きのバラとは趣の違う美しさを持っていて、それを観賞するのも、また、ひとつのバラ観賞の楽しみでもあります。)

八重とは違う趣で、その花の美しさに見とれ、しばらく見つめていました。
しかし、何かがいつもと違う様子。
花の中心をよーく見てください。
2羽のアプリコット・バードが花の蜜を吸いに来ているのがわかりますか?
今回はその中の1羽に写真を撮らせてもらいました。

大川原命名 「幸せのアプリコット・バード(別名 杏鳥)」

よく見るとすべてのアプリコット・キャンディの中心にいろいろな形のアプリコット・バードが居ますので、皆さんも探してみてはいかがでしょうか。
四葉のクローバーを見つけたときみたいに、何か良いことがありそうな、とてもうれしい気持ちになってきますよ。
今回はアプリコット・キャンディの紹介のはずだったのですが、同じアプリコット仲間の杏奈も便乗で紹介させていただきました。
次回は何の新品種でしょうか?
お楽しみに!!