イベントレポート 2012.5.11 「ベルサイユのばら®」発表会レポート

「ベルサイユのばら®」発表会場 ローズテラス 「ベルサイユのばら®」発表会場 ローズテラス

2012年5月11日(金)、第14回国際バラとガーデニングショウ(西武ドーム)にて「ベルサイユのばら®」発表会が開催され、ついに実物のバラがお披露目されました。

会場となったローズテラスは、報道関係者や、いち早くバラを見たい、とつめかけたお客様で一杯となりました。

全体はベルサイユ宮殿をイメージしたシンメトリーの壁や柱に囲まれ、気品ある雰囲気です。

ステージを挟んで左右の空間に、すっくと伸びた「ベルサイユのばら®」の花が咲き乱れ、白亜の壁や柱の中に、真紅の色彩が映えます。

ついにベルサイユのばら® 登場!

池田理代子さん(左)とアラン・メイアン氏(右) 池田理代子さん(左)とアラン・メイアン氏(右)

壇上で原作者の池田理代子さんが待つ中、
このバラを作り出したメイアン社の代表アラン・メイアン氏と共に、
真紅の『ベルサイユのばら®』が登場。

メイアン氏は池田さんをまっすぐ見つめ、
フランス語で「セ・ヴォートル・ローズ(これはあなたのバラです。)あなたのためにできたバラなのです。」と語りかけました。

その情熱的な言葉に池田さんのお顔が輝き、
大変感激されたご様子でした。

池田さんは、バラをいとしそうに見つめて、「最初にメイアン社からお話を頂いてから、長い年月を経て、とうとうこのバラが完成しました。本当に感無量です。自分の作品の名前のバラを見ることが出来る幸せな人は少ないと思います。この会場にはとても多くのバラがありますが、その中でも『ベルサイユのばら®』は特別な存在。やっぱり"うちの子"が一番かわいいと思います。」

メイアン氏によれば、このようなビロード調の真紅は、フランス語でいう「ロワイヤル」、つまり王室を象徴する色だということです。

シャンパンで祝福

左より、国際バラとガーデニングショウ組織委員会副会長兼、スポーツニッポン新聞社代表取締役社長:森戸幸生氏、 同じく組織員会会長兼、毎日新聞社代表取締役:朝比奈豊氏、 池田理代子さん、京成バラ園芸社長:金子芳和、 メイアン社代表:アラン・メイアン氏 左より、
国際バラとガーデニングショウ組織委員会副会長兼、スポーツニッポン新聞社代表取締役社長:森戸幸生氏、
同じく組織員会会長兼、毎日新聞社代表取締役:朝比奈豊氏、
池田理代子さん、京成バラ園芸社長:金子芳和、
メイアン社代表:アラン・メイアン氏

メイアン氏が、「フランスでは子供が生まれると洗礼式を行います。同じように、新しいバラの誕生も洗礼してお祝いします。」と説明。

この発表会の招待者の手で、池田さんの手に抱かれた『ベルサイユのばら®』に、洗礼の水として、シャンパンが注がれました。
こうして祝福されたバラは、これから長い間皆に愛されるバラになるそうです。
フランスらしい小粋な演出に会場からは、「ブラヴォー!」の歓声と拍手があがりました。

とうとう「ベルサイユのばら®」の誕生です! 池田さんは後に、「花びらにシャンパンの白い泡がたって、とても素敵だったの。」と夢見るように振り返っていらっしゃいました。

花束の創り手は・・・

洗礼式の後、花束はしばらく皆様にご覧頂きました洗礼式の後、花束はしばらく皆様にご覧頂きました

洗礼式で使われたこの花束は、日本で活躍するフランス人フラワーアーティストのローラン・ボーニッシュ氏の手によるもの。

フランスの感性で作られた花束は、フレッシュなグリーンの中に、「ベルサイユのばら®」がより引き立ちます。

このバラの感想は?

発表後の質疑応答で、このバラのイメージについての質問に、池田さんは、「実物を見る前はアントワネットを想像していましたが、こうして見ると、オスカルのようでもあり、フランス貴族の気高いイメージにぴったりのバラだと思いました。」とのお答えでした。

和やかな雰囲気の中での質疑応答 左より、池田理代子さん、アラン・メイアン氏、柳楽桜子さん 京成バラ園芸社長:金子芳和 和やかな雰囲気の中での質疑応答
左より、池田理代子さん、アラン・メイアン氏、柳楽桜子さん
京成バラ園芸社長:金子芳和

京成バラ園芸代表取締役・金子芳和のご挨拶では、
「2007年の国際バラとガーデニングショウはフランス特集でした。 その時、フランス大使館の代表の方が『ベルサイユのばら』 という作品について言及され、それによってこの作品を知ったメイアン社はこのバラを作品に捧げたいという夢を持ちました。
そして今日、とうとう皆様にこのバラをご披露できる日がきたことを本当に嬉しく思います。
このバラが、普段バラを育てたことのない方、ベルばらのファンの方にも楽しんでいただけることを心から願っております」と述べました。

この日、池田さんの胸には、日仏文化交流への貢献が評価されフランス政府より贈られた栄えある「 レジョン・ドヌール勲章 シュヴァリエ」が飾られていました。

そっと、勲章に触れて、微笑みながら「授与されて以来、実際に身につけたのは今日が初めてなんです。」とのお言葉。
この日のために特別に、貴重な勲章を纏ってきてくださった池田さんは、まるで、軍服に勲章を輝かせていたオスカルのように、誇り高いお姿でいらっしゃいました。

バラと共に

「ベルサイユのばら®」展示会場ローズテラスに佇む池田理代子さん 「ベルサイユのばら®」展示会場ローズテラスに佇む池田理代子さん

池田さんに、バラの前で記念撮影をお願いしました。

「ベルサイユのばら®」の前に佇むお姿はエレガントで、まるでベルばらの世界に入り込まれたようでした。

長い間この日を夢見てきた京成バラ園芸スタッフ一同にとっても、夢が実現したことを象徴する一枚です。

原作者の池田理代子さん、作出したメイアン社のアラン・メイアン氏とともに、
「ベルばら」ファン、そしてバラを愛する皆様に「ベルサイユのばら®」をお披露目することができ、胸がいっぱいになりました。

楽しくて、奥深いトークショー

翌12日(土)は、池田理代子さんと、元宝塚トップスターで、歌劇「ベルサイユのばら」のオスカルやフェルゼンなどを演じられた紫苑ゆうさんのトークショーが開催されました。

まるで『ベルサイユのばら®』のような、真紅のドレスで登場の池田さんは、マリー・アントワネットのようにあでやか。

そして宝塚時代と変わらぬスレンダーできりりとした紫苑さんは、黒のリボンタイに黒のパンツで、オスカルのように、颯爽としていらっしゃいます。

お二人は、宝塚で見られる豪華でカラフルな羽根を背負って登場し、会場はおおいに沸きました。

何と、背中に宝塚の舞台の羽根をしょって登場! 何と、背中に宝塚の舞台の羽根をしょって登場! 「愛あればこそ」を熱唱する紫苑ゆうさん そばには宝塚時代、「ベルばら」を演じていた勇姿の写真が 「愛あればこそ」を熱唱する紫苑ゆうさん
そばには宝塚時代、「ベルばら」を演じていた勇姿の写真が

苦労話あり、笑い話あり、話の尽きないお二人のトークに時間を経つのを忘れてしまいそうでした。
紫苑さんの素晴らしい歌唱による、宝塚の「ベルサイユのばら」の名曲「愛あればこそ」は、会場全体に朗々と響きわたりました。

大変仲良しの、お二人のトークショーは5月26日(土)に京成バラ園ローズガーデン(千葉県八千代市)でも開催されます。(トークの詳細は26日のイベントレポートでご紹介
新たなエピソードなどが聞けるかもしれません。ぜひ5月26日をお楽しみに!

池田理代子さんと紫苑ゆうさんのトークショーの後は、メイアン社代表アラン・メイアン氏と、世界的な国際バラコンクールの審査員を務める柳楽桜子氏による「エモーショナルなバラを創る」と題した、対談が行われました。

世界初公開したばかりの『ベルサイユのばら®』の紹介と、メイアン家の1世紀にわたるバラ創りの伝統を語りつつ、世界で認められたバラをピックアップし、バラ育種の世界について語られました。

5月17日(木)には元宝塚歌劇団トップスターで、2006年に舞台「ベルサイユのばら」でオスカルを演じられた女優・朝海ひかるさんのトークショー「情熱とロマン・『ベルサイユのばら』と宝塚」、20日(日)には、同じく元宝塚歌劇団トップスターで、複数回オスカルを演じた経験をもつ女優・涼風真世さんが、ローズソムリエの小山内健氏と「『ベルサイユのばら』と私のバラ作り」というタイトルでトークをされるなど、まさに「ベルサイユのばら」の世界が堪能できた、第14回国際バラとガーデニングショウでした。

※写真は全て「第14回国際バラとガーデニングショウ会場風景」