剪定・誘引 関東地方基準

咲がら切り、夏剪定、冬剪定、つるバラの誘引を紹介します

咲がら切り 関東地方基準

咲がら切り

役割

咲がら切りは、続けて良い花を咲かせる為に行います。
咲き終わりに近づいた花の枝を切ると、そこから花芽が伸び次の花が咲いてくれます。

方法

  1. 一番花の咲がら切り
    3月から伸び始めた枝の中頃の、しっかりした五枚葉の所(5枚の葉が付いている所)で切ります。
    ミニアチュア系、つるバラも同様に、伸びた枝の半分位が目安です。
  2. 二番花、三番花の咲がら切り
    一番花、二番花で切った所から伸びた枝の中頃で切ります。

*ツルバラでは忘れがちです。 全体を見回して、忘れずに行ってください。

夏剪定 関東地方基準

四季咲大・中輪系剪定位置 夏剪定 剪定箇所

時期
9月上旬頃

ポイント

  • 基本的に外側についている芽(外芽)の上で切ります。(横張り性の品種は内側の芽(内芽)の上で切る場合もあります)
  • 芽は葉の脇にあります。
  • 基本的に全ての枝にハサミを入れてください。
  • 全ての枝を同時期におこないます。
  • 低温によるブラインド(花芽が付かなくなる現象)を回避するため9月10日ごろまでに行います。
  • 病虫害等で弱った株(葉も新しい枝も出ていない株)は咲きがら(花がら)を切る程度にします。

四季咲大輪系(HT)、四季咲中輪系(FL)
※ 2~3番枝を混ぜて切ります。
※ 今年伸びたシュートは2番枝で切ります。

ツルバラ(CL)
※ 剪定は行いません。

ミニアチュア系(MIN)
※ 丸く刈り込むような形に剪定します
※ 浅く切ることが大切です。

シュラブローズ
※ 四季咲き性の品種のみ行います。
※ 他のものより早めに行います。(9月初頭に行う)
※ 刈り込む感じで切ります。

オールドローズ(つる系は除く)
※ チャイナやティーローズなどは四季咲系と同じように行い軽く(浅く)剪定します。
※ アルバ、ケンティフォーリア、ダマスクなどは、風通しを良くするための枝抜きは行い ますが、花を咲かせるための剪定は行いません。

今年の春植えた新苗の剪定
※ 地植、鉢植えともにソフトピンチまたは枝を少し切る程度にします。

冬剪定 関東地方基準

冬剪定 四季咲大輪系(HT) 冬剪定 四季咲中輪系(FL)

時期
1月上旬~2月下旬

ポイント

  • 基本的に外側についている芽(外芽)の上で切ります。(横張り性の品種は内側の芽(内芽)の上で切る場合もあります)
  • 芽は葉が付いていたところにあります。
  • 全ての枝に必ずハサミを入れてください。
  • 枯れ枝や細い枝、内側に向いている込み入っている枝は元から切ります。
  • 切る深さにより、下記のような違いがあります。
    【浅く切った場合(半分程度) 】 早めに開花し、花数が多くなります。
    【深く切った場合(1/3程度) 】 大きい花が咲きますが、花数は少なめになります。 遅めに開花します。

四季咲大輪系(HT)
※ 全体が半分~1/3位の高さになる様に切ります。
※ 太い枝、早く(5月~8月頃)に出た枝は浅めに切り、細い枝、遅く(10月以降)出た枝は深めに切ります。

四季咲中輪系(FL)
※ 全体が半分~1/3位の高さになる様に切りますが、 花をたくさん咲かせる為に枝を多く残してください。(浅めに切る)
外芽、内芽がバランスよく配置するように切ってください。

ミニアチュア系(MIN)
※ 全体が半分~1/3位の高さになる様に、芽を気にせずに刈り込む感じで切ります。
※ 中心が高くなるように剪定すると、見た目がよくなります。

シュラブローズ
※ 刈り込む感じで切ります。

オールドローズ
※ 半分位に切ります。

つるバラの誘引 関東地方基準

つるバラの誘引 剪定・誘引前 つるバラの誘引 剪定・誘引後

下記は フェンスへの基本的な剪定、誘引方法です。 品種によって、方法が大きく異なる場合があります、ご注意ください。
下記は、ピエール ドゥ ロンサールを基準として記載しています。

時期
12月下旬
※ できなかった場合は、できるだけ1月上旬までに行ってください。

<簡単に行う方法> 枝を外さずに行う方法

  1. 残っている葉を全部とります。(ハダニ、アブラムシが越冬している事があるため)
  2. 主要な枝(年数に関係なく太く元気な枝)を残し、弱々しい枝や込み入っている枝は切り捨てます。(今年でたシュートは残してください。)
  3. 主要な枝の先端を20~30cm程切り、側枝も10cm程度残して切ります。
  4. 春の開花をイメージしながら、シュートを配置します。 その際、枝は水平かやや斜め上向きに配置し、先端を30cm程度切ります。

<念入りに行う方法> 全ての枝を外して行う方法

  1. 残っている葉を全部とります。(ハダニ、アブラムシが越冬している事があるため)
  2. 全ての枝を外します。
  3. 枝の配置を考えながら、 残す枝(誘引する枝)を決定します。
    ポイントは下記の通りです。
    • 今年でたシュートが多い場合は、シュートを主に誘引します。 少ない時は、2~3年目の枝も残します。
    • 弱々しい枝は根元より切ってください。 今年10月以降にでたシュートは、若いために寒さによって枯れる場合が多いので、生え際から10cm程度上で切ってください。
    • 残す2~3年目の枝は側枝を切ります。(10cm程度残して切って下さい) *全体の配置を確認しながら行ってください。
  4. 残す枝を、水平かやや斜め上向きに配置し、先端を20~30cm程度切ります。 先に切ると、長さが足りなくなる場合がありますので、配置を確認しながら行ってください。

配置する際に、枝が伸びている向きと逆に配置すると折れやすいので、注意して行ってください。

一般的に株元や太い枝には咲かないので、細い枝( 細くても元気が良い枝)を株元や太い枝に重ねたり脇に配置すると、株全体が花で覆われます。

枝の間隔を、小輪種で5cm程度、大輪種で10cm程度で配置すると、開花した時にフェンスに隙間なく花が付きます。

※ カイガラムシが付いている場合は、しっかりと落としてください。そのままにすると 木が枯れる場合があります。